医学・くすり書店

食の安全の危機
日本では、本書に紹介されているような遺伝子組み換え（ＧＭ）食品に関する欧米の議論はあまり報道されてこなかった。除草剤への耐性をもった大豆（ラウンドアップレディー）やトウモロコシ、殺虫剤の毒素を組み込まれたＢｔジャガイモ、一カ月経っても腐らないフレーバーセーバートマト、成長ホルモンを投与された牛から採取される牛乳など。これら食品の安全が十分に検証されずに市販を許可された米国の現実と、ＥＵによる北米産のＧＭ食品の輸入禁止など、日本人として知っておいて損はない。　たとえＧＭ食品が輸入され直接口に入ることはなくても、飼料や植物油などの形で間接的には入り込んで来る危険はある。

遺伝子組み換え技術がＧＭ食品企業の利潤の追求のために使われることの怖さを教えてくれる貴重な本といえる。
やっと気が付きました
　恥ずかしながら、本書を読むまで遺伝子組み換え食品がなぜ恐れられているか理解できなかった。というより、その程度の検証は出来ていて当然と思っていた。
　自分の奥さんも遺伝子組み換えは危ないといっていた。理由を聞いても、私がイメージできたのは科学知識のない人達が遺伝子組み換え作物に対してＳＦホラー映画のバイオモンスターのイメージを植え付けられている、と言った印象だった。事実、反対しているほとんどの人がそんなイメージではないだろうか。だから私は危なくないと思っていた。一般工業製品に対して行われる検証が出来ているものだと思っていた。
　遺伝子の突然変化は自然選択の要因として大きな割合を占めている。そのことが、こと農作物の改良としての手段として使われていることをないがしろに考えていた。しまった。周りの良識ある人達から後れをとってしまった。星は５つだ。